筐体やケースに代表される板金加工製品を設計する際に、金型幅、桟幅、クランプデッドゾーンとった、ワークに必要となる板幅以外の寸法が考慮されておらず、汎用的に流通している定尺の材料寸法に合わせると歩留まりの悪い板取になる場合があります。一方で、定尺の材料寸法はあらかじめ決まっているので、それに合わせた板取ができるように、設計者が筐体やケースなど板金加工製品のスケッチ材の寸法を検討することで、歩留まりのよい板取を実現することができます。
-
BEFORE
筐体などの板金加工製品の設計時において、金型幅や桟幅およびクランプデッドゾーンを考慮せずに図面が作成されているケースがありました。実際の筐体の加工の際には金型幅や桟幅およびクランプデッドゾーンが必要になります。それらの板幅を含めると、定尺と呼ばれる標準的に市場で流通している寸法サイズに合わず、歩留まりの悪い板取になることがあります。これにより、必要以上に材料コストがかかってしまう場合がありました。
-
AFTER
筐体などの板金加工製品の設計時には、金型幅、桟幅およびクランプデッドゾーンを含めた板取りを想定しておく必要があります。例えば、筐体の製品に200mmx600mm が必要な場合、金型幅が上下で10mm、桟幅が10mm とすると230mmx630mm のスケッチ材が必要になります。さらに、クランプデッドゾーンとして100mm を考慮しておく必要があります。金型幅、桟幅、クランプデッドゾーンを含めた板取りと定尺の寸法を考慮することで歩留まりのよい板取が可能になりました。