皿モミ成形について | 筐体ファクトリー
       
技術コラム
皿モミ成形について
  • 皿モミ成形について

    筐体に代表される板金加工において、ネジで部品締結を行う場合、皿モミ成形が行われることがあります。皿モミ成形とは、皿頭のおねじ部品頭部が出ないようするためのスペースを作る加工のことです。同じような加工方法として、座ぐり(ザグリ)加工がありますが、皿モミ成形は座面が90度のネジ(皿ビス)を使用するときに用いられるので、加工が円錐形となるのに対し、座ぐり(ザグリ)加工は六角穴付きボルトなどを使用するときに用いられ、円筒形に加工を行う方法です。

  • 皿モミの図面表示

    板金加工における皿モミ成形の図面記号は、丸を2つ重ねたものですが、表からの皿モミ成形は二重の実線の円で表し、裏からの皿モミ成形は外側の円は点線、内側の円は実線で描きます。いずれの場合でも、内側の円はネジが通る貫通穴を表し、外側の円は皿モミ成形の外形を表しています。また、皿モミ成形を行う場合の図面表記としては、貫通穴のサイズを記載する書き方の「φ3.2皿モミ」や、使用する皿頭のサイズを記載する「M3皿頭ネジ用皿モミ」などの図面表記方法があります。

    通常、板金加工で皿モミ成形を行う場合には、タレパンにて穴あけを行ったあとに、ボール盤を使って切削加工を行います。しかし、皿モミ形状をした金型を用いると、ボール盤での切削を行わずにタレパンのみで皿モミ成形を行うことができるので、コストダウン方法としても有効です。

    皿モミ成形を行うことによって、おねじの頭部が出ないので、見た目もきれいになります。装飾性や意匠性が求められることが多くある、筐体に代表される板金加工製品にとっては有効な加工方法です。

    また、板金加工製品をネジで締結を行う場合、母材の板厚によって、有効ネジ山が変わるため、ネジの強度に影響が出ます。母材の板厚ごとに皿モミ成形方法の検討が必要となりますので、筐体をはじめとする板金加工製品の皿モミ成形については、筐体ファクトリーまでご相談ください。