板金の定尺板の寸法・サイズについて | 筐体ファクトリー
       
技術コラム
板金の定尺板の寸法・サイズについて
  • 板金の定尺板の寸法・サイズについて

    ボックスやケース、キャビネット、ラックをはじめとする金属筺体などの板金加工製品で使用される板材で、標準的に市場に流通しているものを定尺板と呼びます。金属筺体のような板金加工製品を設計・製作するには、定尺板のサイズを前提として設計・製作することで最適な板取りを行うことができ、コストダウンを実現することが可能となります。

  • <一般的に市場に流通している定尺サイズ>

    サブロク:3’x 6’(サイズ:914mm x 1,829mm)
    SPCC(冷間圧延鋼板)、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板)などの鉄鋼板に適用されている定尺サイズで、市場に最も多く流通している定尺サイズです。ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、真鍮板にはこの定尺サイズはありません。

    筐体ファクトリーが設計・製作する、金属筺体、カバー、シャーシなどの多くは、このサブロクの定尺板を使用しています。



    シハチ:4’x 8’(サイズ:1,219mm x 2,438mm)
    SPCC(冷間圧延鋼板)、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板)などの鉄鋼板だけでなく、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、真鍮板にもある定尺サイズです。サブロクの定尺板(3’x 6’)やメーター板(1’x 2’)では対応出来ない、大型の板金加工製品に用いられる定尺サイズです。



    メーター板:1’x 2’(サイズ:1,000mm x 2,000mm)
    SPCC(冷間圧延鋼板)、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板)などの鉄鋼板と、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、真鍮板に適用される定尺サイズです。



    <その他(市場流通性が低い定尺サイズ)>

    サンパチ:3’x 8’(サイズ:914mm x 2,438mm)
    ゴハチ:5’x 8’(サイズ:1,524mm x 2,438mm)
    ゴトウ(ゴットウ):5’x 10’(サイズ:1,524mm x 3,048mm)

  • これらの定尺サイズはSPCC(冷間圧延鋼板)、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板)などの鉄鋼板に適用されている定尺サイズで、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、真鍮板にはこの定尺サイズはありません。(5’x 10’のみ、ステンレス鋼板も定尺板が存在します。)

    しかし、鉄鋼板でも市場に流通していることが少ない定尺サイズですので、金属筺体をはじめとする板金加工製品を設計、製作する際には注意が必要です。その場合には市場流通性の高い定尺サイズに合わせて分割製作を行うなどの工夫を行うことで、納期短縮検討が可能となります。



    このように、材料によって定尺サイズの有無が異なります。また、市場流通性と併せて定尺サイズに合わせた金属筺体の設計、製作を行うことによって、生産リードタイムの短縮、コストダウンを行うことが可能となります。