筐体の曲げ最小フランジ高さについて | 筐体ファクトリー
       
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筐体の曲げ最小フランジ高さについて
概要

筐体をはじめ、ケース、キャビネット、カバー、シャーシなどの板金加工製品、板金加工部品においてフランジ曲げ加工を行う際には、最小フランジ高さを考慮しておかなければなりません。また、板材を曲げることによって発生する塑性変形(内側は圧縮され縮み、外側は引っ張られるので伸びる)も考慮したければなりません。その値が補正値と呼ばれるもので、曲げの始まる根元の部分と溝の端の間に余裕を持たせておく必要があります。

  • BEFORE

    筐体を代表とする板金加工製品において、フランジ最小高さが考慮されておらず、設計図面にて要求されているフランジ高さを出すことができない場合がありました。これにより、設計者と板金加工会社の間で図面確認、再計算のやりとりが行われることがありました。このやりとりによって筐体製品、筐体部品の生産リードタイムが長くなってしまうだけではなく、再設計、筐体部品の破棄などにつながってしまう場合もありました。

  • AFTER

    筐体を代表とする板金加工製品における、フランジ曲げにおけるフランジ最小高さは板厚 x V幅/2 + 2mm(ダイの溝幅) + 1mm(補正値)となります。上図の場合、仮に板厚を1mm とすると、1mm x 6mm/2 + 2mm + 1mm = 6mm となり、最小のフランジ高さは6mm となります。筐体設計に代表される板金加工製品の曲げ加工においては、上記を踏まえてフランジ高さを設定することで、図面確認のやりとりの時間をなくすことが可能になります。