SECCについて | 筐体ファクトリー
       
技術コラム
SECCについて
  • SECCについて

    SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)は筐体やボックス、ケース、キャビネットなどの板金加工製品に一般的に使用される、冷間圧延した表面処理鋼板です。SECCは冷間圧延鋼板を原板として、正面に電気亜鉛メッキ処理を行った表面処理鋼板であり、SECCは表面処理鋼板の中では最も市場に出回っているとされています。SECCはSteel Electrolytic Cold Commercialの略称であり、ボンデ鋼板とも呼ばれることもありますが、これはメーカー呼称であり、商品名です。

    SECCの特徴としては、電気亜鉛メッキ後でも使用原材の材質と同じ加工性を有し、地鉄とメッキ亜鉛間の密着性が強く、深絞りにおいても電気亜鉛メッキが剥離しない、塗装性にも優れているという特徴があります。不動態被膜(酸化被膜)が形成されるために耐食性に優れています。そのため、耐食性が必要な環境で使用される鉄製の筐体やボックス、ケースなどの板金加工製品にはSECCが多く使用されます。

    SECCなどの電気亜鉛メッキ鋼板の場合、原板に対してメッキを片面に行う場合(片面メッキ)と両面に行う場合があります。両面にメッキ処理を行う場合、同じ厚みのメッキ処理(等厚メッキ)と異なる厚みのメッキ処理(差厚メッキ処理)があります。

  • SECCはSPCC(冷間圧延鋼板)を原板としていますが、同じ表面処理鋼板でも原板を変えることで用途を変えることが可能です。

    ・SECD(絞り用):原板はSPCD

    ・SECE(深絞り用):原板はSPCE

    ・SECF(非時効性深絞り用):原板はSPCF

    ・SECG(非時効性超深絞り用):原板はSPCG



    また、SECCなどの電気亜鉛メッキ鋼板は、そのメッキ厚を均一に、薄く加工することが可能ですが、SECCに厚みのあるメッキを作ろうとすると時間がかかり、高コストとなります。表面処理鋼板で、あらかじめ厚みのあるメッキが必要となる場合には、SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼)が使用されることが多くあります。筐体などの板金加工製品でもSGCCが使用されることもあり、筐体設計段階にて、材料の特徴を加味し、材料選定を行う必要があります。